老後に2000万円もかかるって本当?
逆に2000万円で足りるのかな?
老後の資金の平均額はどのくらい?
このままでは老後の生活が不安だな。。。
年金なんて期待できないんじゃないの?
ついでに老後資金を確保する方法も知りたい。
という疑問にお答えします。
老後の資金に2000万円必要という話は一時期話題になり、お聞きになったことがある方も多いと思います。これは金融庁の2019年6月の「高齢社会における資産形成・管理」というレポートが話の元になっています。
私は現在44歳で、15年前に子供が生まれた時から老後の資金作りに取り組んでいます。この記事ではこの老後資金2000万円とは何なのか?について考えてみます。
老後資金は2000万円?老後2千万円問題の意味を説明します
結論から言うと、老後資金は2000万円というのは
「年金だけでは不足するので、自分で運用して老後資金を準備してくださいね」
という趣旨です。
老後資金がいくらかかるかについては
こちらのページにシミュレーターをご用意していますので是非使ってみてください。
老後資金はiDecoなどの投資で少しずつ準備していきましょう。
リスクを抑えて老後資産を増やす「長期積立インデックス投資」の方法はこちらのページをどうぞ。
老後の資金が2000万円必要だという話は、金融庁の2019年6月の「高齢社会における資産形成・管理」というレポートが話の元になっています。
ご参考:金融庁のレポート「高齢社会における資産形成・管理」 はこちらです。https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html
金融庁作成の資料によると、60〜69歳の方達の貯蓄残高の平均は約2000万円あり、老後に必要な資金2000万円と同程度の金額が確保できているということです。
では老後に2000万円必要という前提条件から見てみましょう。
「老後に2000万円必要」の前提条件
このレポートの中で、
・平均的なサラリーマン世帯(夫婦2人)で、
・65歳から年金をもらって
・95歳まで生き
・あまり贅沢せずに普通に生活をする
という条件で計算すると
老後の資金は2000万円ぐらい準備が必要になると計算されています。
「老後に資金が2000万円必要」の内訳
老後資金が2000万円必要の内訳です。
レポートの中で、収入と支出の内訳は以下のようになっています。
下記、金融庁のレポートより抜粋
項目 | 金額 |
収入 | 191,880 |
その他収入 | 17,318 |
食費 | 64,444 |
住居 | 13,656 |
水道光熱費 | 19,267 |
家具家事用品 | 9,405 |
衣料 | 6,497 |
医療費 | 15,512 |
交通・通信 | 27,576 |
娯楽 | 25,077 |
その他 | 54,028 |
非消費支出 | 28,240 |
収支 | -54,504 |
こういう計算で月々約5.5万円を預貯金からまかなう必要があるので、
30年経つと5.5万円 x 12ヶ月 x 30年 =1980万円
となり、約2000万円が必要という計算になっています。
「老後に2000万円必要」に対する疑問
先ほどの収入と支出の内訳を見ていくと、
下記のような疑問が浮かびます。
・その他収入の17000円・・・別収入がある想定?
・住居費13000円・・・賃貸ではない?
・その他消費54000円って何?
・非消費支出の28000円って何?
・95歳までで大丈夫?
というような疑問が浮かびます。
平均値を取っているためだと思いますが、
このままだとあまり現実味がないので、もう少しわかりやすく書き換えていきましょう。
実際は老後資金は2000万円で足りるか?
実際の老後資金について考えてみましょう。
例えば、賃貸で慎ましく暮らしたらという前提の数字に書き換えてみましょう。
項目 | 金額 |
収入 | 192,000 |
その他収入 | 0 |
食費 | 65,000 |
住居 | 120,000 |
水道光熱費 | 15,000 |
家具家事用品 | 3,000 |
衣料 | 3,000 |
医療費 | 20,000 |
交通・通信 | 20,000 |
娯楽 | 10,000 |
その他 | 10,000 |
非消費支出 | 0 |
収支 | -74,000 |
この場合、収支が-74000円になりました。
毎月-74000分を預金から取り崩すので、
20年=平均寿命程度まで生きた場合1776万円
30年=95歳まで長生きした場合2664万円
が必要となります。
人生100年時代と言われるようになり、95歳よりも長く生きることが前提になってくると、必要なお金も変わってきます。
105歳まで長生きした場合3552万円
が必要になります。
日本人の平均寿命
現在の日本人の平均寿命は
・男性が81歳
・女性が87歳
となっていて、年々伸びています。
グラフからわかるように現在もまだ平均寿命は伸びており、
このペースで行くと30年後には5歳程度は伸びる可能性がありますね。
日本人の健康寿命
また、健康寿命といって、健康な状態で暮らせる平均年齢は、平均寿命よりも8-12年ほど差があります。
健康寿命も平均寿命と同様に、年々伸びています。
厚生労働省の発表によると、現在の健康寿命の平均値は
・男性が72歳
・女性が75歳
となっています。
平均寿命の今後の見通し
グラフから、年々直線的に伸びていることがわかります。
平均すると概算で1年で0.2歳ぐらいのペースです。
医療の発達によるところでしょう。
これは私見ですが、このまま直線的に伸びていくと考えると、
10年で2年ぐらいのペースで伸びますので、
下記の様になる可能性があります。
- 202610年後男性83歳 女性90歳
- 203620年後男性85歳 女性92歳
- 204630年後男性87歳 女性95歳
- 205640年後男性89歳 女性97歳
私は今44歳ですが、上記で考えると平均寿命に達するのはおよそ46年後の90歳と計算できます。
あくまで予測ですし、平均なので、実際にはもっと長いかもしれませんね。
安全率10%と考えると、私の場合は100歳ぐらいまでは生きる可能性があると思ってプランしておいた方がよいと考えています。
健康でいられる間はいいけれど、その後は?
健康な間はあまり不安もありませんが、年齢とともに通院や介護が必要になったり、
ということも想定しておく必要があります。
・医療費(病院代や薬代)・・・例)年間12万円
・老人ホームなどの介護施設や介護サービスにかかる費用・・・例)年間100万円
などが追加でかかることになります。
(かかる金額は目安ですので、状況により変わります)
これらの費用は「老後資金2000万円」には含まれていませんので、必要資金に加算しておきましょう。
80歳から年間112万円を加算した場合、
・85歳までで1776万円+560万円=2336万円
・95歳までで2664万円+1680万円=4344万円
・105歳までで3552万円+2800万円=6352万円
という資金が必要になります。
介護にかかるお金は状況や受けるサービスによっても大きく変わってきます。
高級老人ホームなどを利用する場合には大きな金額がかかるものもありますので、ここでは概算です。
また、持ち家の場合、リフォーム費用・・・例)10年ごとに100万円
は含まれていません。持ち家を想定している方は加算が必要です。
老後に実現したいプランを追加
切り詰めてばっかりではつまらないなぁ
もう少し豊かな老後を目指すプランにしたい。
という場合、
例えば、
・毎年、海外旅行に行く
・外食や趣味にかけるお金を増やす
という老後を実現するためには、もう少しお金が必要になります。
・毎年、海外旅行に行くためには・・・例)年間50万円
・外食や趣味にかけるお金を増やす・・・例)月2万円
というように、支出を見込んでおく必要があります。
1年間に50万円の支出をする場合、健康な間の10年間継続したとして10年で500万円になります。
趣味のゴルフや釣りを続ける、毎月1回は飲みに出かけるなど人生を楽しく暮らすためのお金も確保しておきましょう。
老後の資金を準備する方法
ここまでで老後に必要なお金がいくらぐらいになるかの目安がイメージできたと思います。
105歳までだと必要資金6000万円かぁ。。
そんなに貯められないかも。。(不安)
と感じた方は、資金を準備する方法を考えましょう。
資金を準備するには下記の方法があります。
・65歳以降も働く
・今から積み立てて資産運用する
・積極的に投資して資産運用する
順番に見ていきましょう。
健康なら65歳以降も働くことができる
65歳以降も働くことで、収入を確保する方法もあります。
健康寿命も年々伸びていて、あと30年もすればさらに10年ぐらいは長くなっているかもしれませんね。健康寿命が伸びると、働くこともできます。
70〜74歳の方の就業率(働いている人の比率)は男性が34%女性が20%と、こちらも年々増加傾向にあります。
老後の収入を確保する老後の資金が不足する場合には仕事をすることで資金を確保することもできます。例えば65歳から75歳まで年間200万円稼ぎがあれば2000万円になります。
老後のために今から積み立てて資産運用し、資産構築する
老後資金の準備は早く始めると有利です。
個人年金のiDecoや積み立てNISAなどで毎月コツコツ資産を構築することで、老後の資金を確保することができます。
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
個人年金として毎月積み立てて資産運用していくことができる制度です。
年金なので、60歳になるまで引き出すことはできませんが
節税効果があります。
iDeCoについては詳しくはこちらの記事で解説しています。
・つみたてNISA
積み立てNISAは年間40万円までの非課税口座で、こちらも証券会社で口座を持つことができます。iDecoと違って年金ではありませんので、いつでも現金化ができます。
つみたてNISAについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
投資して資産運用し、収入源を作る
僕はつみたてNISAなどを組み合わせてほったらかし投資をしています。
ほったらかし投資についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
老後の収入源確保のため、もっと積極的に投資をして収入源を作ること目指す方はこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひどうぞ。
実現したい将来にかかるお金を目標に準備していきましょう!
老後資金は2000万円で足りるのか?まとめ
この記事では金融庁が2019年に発表した「老後資金2000万円とは何なのか?」について解説しました。
・「老後に2000万円必要」の前提条件
・「老後に2000万円必要」の内訳
・「老後に2000万円必要」に対する疑問
・実際は老後資金は2000万円で足りるか?
・日本人の平均寿命
・日本人の健康寿命
・健康でいられなくなったあとは?
老後の資金は2000万円で足りるのかどうかについて確認しました。
必要な資金は個人差がありますが、2000万円は最低ラインというところだと考えておいた方が良いでしょう。
人生100年時代を考えると6000万円ぐらいあると安心と言えるのではないでしょうか。
・老後に実現したいプランを追加
上記に加えてもう少し豊かな生活を送るためのお金の準備についても触れました。
・老後の資金を準備する方法
老後資金を増やすための方法について解説しました。
健康寿命が伸びたことで、65歳以降も元気であれば働けますし、今から積み立てすることで資産を構築したり、資産運用することで安定した収入源を作ることもできます。
自分の老後の必要資金をシミュレーションするための計算シミュレーターを作りましたのでご利用ください。