サラリーマンをしながら副業を始めたいけど、税金はどうなるのかな?
副業をした場合の税金の種類や納税方法も知りたい。
副業したら税金の確定申告は必要なのかな?
副業した場合の税金対策も知っておきたいな。
このような疑問にお答えします。
本業以外の副業収入で毎年確定申告をしている筆者が税理士さんに聞いた内容をまとめておきます。
税金の計算自体は理解できればそれほど難しくはありません。
ざっとでも理解しておきましょう!
確定申告は弥生の白色申告(無料)を使っています。
銀行連携もできて、使いやすいので気に入っています。
副業したら税金はいくらになる?【計算シミュレーションと税金対策】
副業の税金は所得税と住民税です。
サラリーマンの副業の場合には所得税の確定申告書を作成することで、
税金の額を計算することができますが、
だいたいどれぐらい稼いだら、いくらぐらいになるのか?を計算できるようになりましょう。
副業の所得税の計算方法
所得税所得税は下記の方法で計算します。
所得税=課税所得 x 税率
課税所得が多くなると、税率も大きくなり、税額が増えます。これは累進課税といって、「たくさん儲けた人から高い税率で税金を徴収する仕組み」です。
税率は下記のように決められています。
課税される所得金額(課税所得)税率 控除額
2015年以降は下記の速算表を使って計算することができます。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
出典 : 国税庁HPより|No.2260 所得税の税率
表の中の「控除額」というのは計算を簡単にするための数字です。
計算の際の控除額の使い方は
例えば、課税所得が 800万円の場合
・税率は表から23%
・控除額は 636,000円
ですね。
この場合、所得税の金額は
800万 x 23% – 636000=1,204,000
約120万円となります。
控除額の意味(ここは計算方法なので読み飛ばしても大丈夫です)
表内の控除額の意味を解説しておきます。
課税所得が800万円の場合、
税金は800万円に対して23%ではなく、
実際には
195万円以下の部分に対して5% =97,500円
195〜330万円の部分(135万円)に対して10% =13.5万円
330〜695万円の部分(365万円)に対して20% =73万円
695〜800万円の部分(105万円)に対して23% =24.15万円
というように、それぞれの収入帯に対して税率がかけられます。
税額を合計すると120.4万円となります。
でもこれだと計算が面倒なので、800万に税率23%をかけて、控除額636,000円を引けば同じ答えが出るようにしているというものです。
控除額は下記のような計算で求められます。
195万円以下の部分に対して
10%と5%の差の5%分 97,500円
330万円以下の部分に対して
20%と10%の差10%分 330,000円
695万円以下の部分に対して
23%と20%の差3%分 208500円
これらを合計して控除額は636,000円と計算されます。
※この控除額自体の計算は、これを計算しなくてもいいように、控除額として表になっています。
副業の課税所得の計算方法
次に、副業をした場合の課税所得の計算方法です。
課税所得=所得金額ー所得控除で計算できます。
所得控除というのは
・生命保険や地震保険、
・10万円以上の医療費など
生活に必要な支出を所得から差し引くことです。
また基礎控除として38万円(2020年からは最大48万円)を控除することが認められています。
例えば、 所得金額が400万円の場合、
・所得控除額 基礎控除 38万円
・生命保険料 5万円(仮の金額)
・地震保険料 3万円(仮の金額)
・合計 46万円 を引いて
課税所得 354万円が決まるということになります。
この他、所得控除には
・ 配偶者がいる場合や
・16歳以上の扶養家族がいる場合など、
基礎控除以外にも控除が認められる場合があります。
副業したときの所得金額の計算方法
次に副業の所得金額の計算です。
所得=収入ー経費で計算します。
「収入」と「所得」は別の意味なので注意してくださいね。
所得の種類によって計算方法が変わります。
サラリーマンの副業の確定申告の場合、主な所得の種類は
・給与所得
・不動産所得
・雑所得
・事業所得
の4種類です。(合計10種類ありますが割愛します)
また、株式投資をしている方は
・配当所得
・譲渡所得
になります。
アフィエイトなどの副業を始めたばかりの初心者の場合は事業所得になるケースはごく稀です。
副業で給与所得をもらっている場合の税金
本業でサラリーマンをやっていて、副業でアルバイトなどをして給与収入がある場合給与の金額を合計して給与総額として計算します。
給与所得の計算は下記のように計算します。
給与所得=給与総額ー給与所得控除
給与の場合は、
収入=給与総額で、
経費に当たるのが「給与所得控除」です。
給与総額は給与の源泉徴収票に記載されている、税金等を差し引かれる前の金額です。
給与所得控除は給与収入総額によって決まっています。
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) |
給与所得控除額 | |
---|---|---|
180万円以下 | 収入金額×40%-100,000円 550,000円に満たない場合には、550,000円 |
|
180万円〜 | 360万円以下 | 収入金額×30%+80,000円 |
360万円円〜 | 660万円以下 | 収入金額×20%+440,000円 |
660万円〜 | 850万円以下 | 収入金額×10%+1,100,000円 |
850万円超 | 1,950,000円(上限) |
出典 : 国税庁HPより|No.1410 給与所得控除
副業で不動産所得がある場合の税金
副業でアパートやマンションを持っていて、賃貸をしている場合は「不動産所得」として計算します。不動産所得の計算は
不動産所得=家賃収入ー経費
です。
家賃収入には礼金収入も含めて計算します。
不動産所得の場合は事業の規模に関わらず、事前に報告して青色申告事業として登録しておけば青色申告をすることができます。
つまり、小さい事業でも青色申告にできるということですね。
青色申告をする場合は「青色申告特別控除」という控除が認められ、
・10万円または
・65万円を控除することができます。
簡易簿記で記帳の場合は10万円の控除複式簿記で記帳すれば65万円の控除が受けられます。
ただし、この10万円か65万円の控除を受けられるかについては下記の判定基準があります。
・貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
・独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。
引用元:国税庁 | No.1373 事業としての不動産貸付けとの区分
つまり、
合計10以上または
戸建て物件で5軒を賃貸している場合は
65万円の青色申告特別控除が認められるということです。
もちろん青色申告ではなく、白色申告(普通申告)で確定申告しても問題ありません。
青色申告の方が複式簿記の手間はかかりますが、税金の負担が少なくなり、メリットがあるということです。
複式簿記については簿記3級程度の知識があれば問題なく記帳できます。
副業でアフィリエイトをしている場合の税金
アフィリエイトなどの副業収入はほとんどの場合「雑所得」になります。
雑所得=売上ー経費です。
経費はこの所得を得るためにかかったコストで、費用として計上することができます。
副業で事業所得がある場合の税金
副業でもある程度の規模の事業や、クラウドソーシングなどの委託業務、在宅ワークや内職などをしている場合には事業所得となります。こちらも
事業所得=売上ー経費です。
事業所得も青色申告をすることができます。
副業した時の住民税の計算
副業したときの住民税は確定申告をすれば自動的に市区町村に申告されます。
実は所得税の金額の計算は 標準税率が定めれていますが、この税率は地方自治体が条例などで税率を定めることができることになっていますので、「エリアによって違う」と考えておきましょう。
標準税率は下記のようになっています。
出典 : 総務省 | 個人住民税の概要
所得割の(カッコ内)の数字は指定都市の場合の税率です。
副業の税金のシミュレーション
副業の税金のシミュレーションです。
給料額と副業の所得額のシミュレーションの表を作成しました。
給料は源泉徴収されていますので、副業の所得金額分の税額を表示しています。ご家族の状況などで変わってきますので、目安とお考えください。
副業所得(万円) (収入-経費) | ||||||
給与収入(万円) | 30 | 50 | 100 | 200 | 500 | 1000 |
300 | 3.0 | 5.0 | 10.0 | 27.2 | 87.4 | 232.6 |
400 | 3.0 | 5.0 | 14.6 | 34.6 | 97.0 | 249.6 |
500 | 6.0 | 10.0 | 20.0 | 40.0 | 100.4 | 265.4 |
600 | 6.0 | 10.0 | 20.0 | 40.0 | 110.8 | 275.8 |
700 | 6.0 | 10.0 | 20.0 | 40.8 | 121.8 | 286.8 |
800 | 6.0 | 10.0 | 20.0 | 41.7 | 125.9 | 290.9 |
900 | 6.9 | 11.5 | 23.0 | 46.5 | 145.5 | 310.5 |
1000 | 6.9 | 11.5 | 23.5 | 56.5 | 155.5 | 320.9 |
副業の税金計算のシミュレーションは簡単税金計算シミュレーションでもできます。
副業の税金対策
副業の税金副業が赤字になった場合には、給与所得から控除できる?給与の所得税が戻ってくるなら嬉しいですね。下記の条件を満たしていれば損益通算といって、所得税を還付することができます。・青色申告をしていること・税務署から副業の所得が「事業所得」として認められていること
事業所得として認められるためには労力や金銭を費やしており、事業の規模や継続性、一般的に職業として認知できるかというような基準を満たしている必要があります。判断の明確な基準はないようなので、これについては税務署に問い合わせをする必要があります。
ふるさと納税で税金で得をする
節税対策というわけではないですが、税金をただ払うよりもふるさと納税をするのがおすすめです。
ふるさと納税などへ寄付をした場合は、税額控除が認められます。
実質負担返礼品ももらえる分、お得ですね。
楽天のふるさと納税上限額シミュレーションを使うと、どのくらいまで控除できるか計算できます。
税金や確定申告に関する相談
税金や確定申告について最寄りの税務署に問い合わせすると電話で質問に答えてくれます。
税理士による確定申告の無料相談会自分でやるにしても心配という方は税理士さんに相談するという方法もあります。無料相談会を活用するのも良いですね。
確定申告を自分でやるのは面倒という方は税理士さんに依頼することもできます。お金は多少かかりますが、お任せできるのは安心ですね。
費用計上と税金
副業にかかった費用は経費として収入からマイナスすることができます。
これによって所得を小さくして節税できる場合があります。
もちろん生活にかかったお金などは認められません。
あくまで副業の運営にかかったコストということになります。
これについては詳しくはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。